第5話 ベランダに現れた大きな猫と不思議な出来事
ここに住んで5年余り
マナを拾って2年。
猫を見かける事のない日々が続いていました。
猫がいると自然に猫が寄ってくるって
聞いたけど本当に? と思うほどでした。
ところが、大きな猫がベランダに現れた時から
何かが動き始めたのを私は感じていました。
そんなある日、またベランダの下に現れた大きな猫。。
マナにすれば生まれて初めて会う猫という、自分以外の猫
前に来た時は、直ぐに部屋の中に隠れたマナでした。
今回マナはその大きな猫を威嚇しています。
なぜかマナはこの大きな猫さんが嫌な様子です。
この時も咄嗟にスマートフォンで写真を撮りました。
前話で小路で会った猫のことをお話ししましたが、
本当に瓜二つです。
その数日後の事です。早朝ベランダで洗濯物を干していました。
ふと気がつくとマナの姿がありません。
私は玄関へ出て、しばらくマナを待つことにしました。
時刻は朝の5時過ぎです。
すると!
白に黒い模様のある猫が走って行くのが見えました。
そして「カッカッカ」というクラッキングが聞こえました。
うん?何だろうと見ると、マナがいました。
私は咄嗟にクラッキングした猫が
マナを案内して家まで送り届けてくれたと思いました。
「連れてきたよ、お宅の猫さん」と言っているようです。
その猫がこの地域のことをよく知っているか、
猫同士の連絡網や電波のようなものがあるのではと感じました。
すごい!の一言でした。
あのベランダに現れた大きな猫は不思議なことに、
その日それ以来現れなくなりました。
その数日後の朝にマナを送り届けてくれた猫に出会います。
私はうれしくて「おいで、ありがとう」と話しかけました。
マナはその猫に近づいていきます。少し警戒はしているようです。
そこへ「カスミ」と知らないおじさんがマナに呼び掛けました。
マナを届けてくれた猫が、カスミちゃんという名前だということがわかりました。
私が「カスミちゃんはあそこです」と言うと、「どこに行ってたんや」とその人は必死の形相でカスミという猫を抱っこして連れて行きました。
そのおじさんは、マナをカスミちゃんと間違えたのです。パッと見はマナと本当に似ていることに私はその後に気がつきます。
その日からカスミちゃんに会いたくて仕方がありませんでした。
だってマナを私の元に届けてくれたのですから。
不思議な体験をしたと思います。
猫同士の連絡網のようなものを感じました。
人間がわからない電波のようなもので猫は交信している?
その後、カスミちゃんともう1匹の白に黒の模様の猫、そしておじさんにまた会うことになります。
不思議で驚きの風景と共に。