猫は君を永遠に愛します

永遠のテーマ【猫とは…猫の幸せとは?】

第12話 親切が招く災難へのプロローグ

マナちゃんが無事に退院し、季節は秋から冬になっていきます。

ルイちゃんの飼い主さんは女の子だと初めてお会いした時に言っていたはずですが…
マナちゃんと違って短くて太い尻尾のルイちゃんは尻尾をピーンとあげると、男の子の象徴がよく見えます。空は男の子だとわかりました。
ある日、飼い主さんに会った時に空は「あのルイちゃんは男の子ですよね」と言いました。
飼い主さんの反応は「先輩からルイをもらった時に乳房があるから女の子と言ったので女の子だと思って」

な・な・何なんですか~!

ここからが嘘八百の始まりだったのかもしれません。初めてお会いした時から…。

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完全に男の子です

マナちゃんが無事に退院したのは9月27日でした。この地方は10月になると少し肌寒くなります。
時折ルイくん(男の子だとわかりましたので)は朝ベランダに来るのは変わりませんが、大きな病の後のマナちゃんにストレスになってはと空は思いました。夜と会社が休みの土日だけはルイくんを部屋に入れて様子を見ました。

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退院した頃のマナちゃん

マナちゃんの退院後の初めての診察の日にマナちゃんとバスで獣医さんへと出掛けました。
良い獣医さんに巡り会った事もあり、家に遊びに来る猫がノミがいそうなのでと写真を見せて相談しました。
「かなり痒そうだね、もしかするとダニやシラミもいるかもしれないな」と獣医さんは言いました。

ノミどころかダニやシラミまで~!

これ使うと直ぐにいなくなるからとレボリューションという薬を「猫の手やなめられない場所につけてあげるといいよ」とマナちゃんの首の後ろにつけてくれました。
マナちゃんにもうつるかもしれないと薬を付けるお手本を見せて下さったのでした。

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痒くて仕方がなかったルイちやん

ルイくんはその日ベランダに現れませんでした。
とにかくルイくんの痒いのを早く治ってほしかった空は飼い主さんの部屋のチャイムを押しました。
珍しくルイくんも飼い主さんの部屋にいたようです。空はレボリューションを出して獣医さんが付けた見本の通りに教えました。
その時の親切がこれから続く最悪な状況になると空は思ってもいませんでした。

この地方では10月になると肌寒い日があります。
空はいつも10月になるとファンヒーターのために灯油の配達をお願いするくらいです。
マナちゃんは空が仕事の間寒くならないようにペット用ホットマットをしています。
ルイくんの飼い主さんは夜中の寒さに耐えられなくなったのかルイくんが自由に出入りしていたベランダの窓を閉めてしまうようになりました。
それはいいのですが、ルイくんが外へ出ていても閉めるようになりました。

お会いした時に空が尋ねました「窓を閉めていますがルイくんは大丈夫ですか?」と。
その答えは「俺はルイが帰ってきた時の声がわかるからな」というものでした。
空は「そうですか、それならいいのですが」と言うしかありませんでした。

ルイくんの飼い主さんは本業の他にホステスの送迎のアルバイトをしています(9話で述べられていますが)
なんと言ってもルイくんは飼い主さんのいる猫、空が構う事は筋違いです。
だけどルイくんは毎日のように空の部屋のベランダに来ます。
そんなルイくんを空は追い払うことが出来ませんでした。
昼間でも暗くて電気をつけないと真っ暗です。寒い季節が日々足早に近づいてきました。