猫は君を永遠に愛します

永遠のテーマ【猫とは…猫の幸せとは?】

第5話 さぁ、お仕事~!なのに

土曜日の夜に退院した空、ちょうど良い具合に月曜日は祝日でした。
マナちゃんと2日間過ごすことができました。
楽しそうに「マナ~!」という空の声がいつものように聞こえます。

だけどね--
長期休暇だけはしたくなかった空。届け出書類も書く必要があり、火曜日に出れば書かなくてすみます。
『何だか体が辛いな、1週間も入院で寝ていたためだわ。上げ膳据え膳だったのですもの』

空は8時だというのに道路が蒸せかえるほど暑い中を会社に向かいました。
バスを降りると最近知り合った地域猫さんに出会いました。
今朝は車の下に潜り込んでいました。

【私なんて会社に行けば冷房がかかっている】

この子は1日暑い中を生きなければいけない。
空は「暑いね、元気でいてね」と何度か車の下の地域猫さんに話しかけると、何度も何度でも振り返りながら会社へと歩きました。

【空は外で暮らす猫の過酷さを初めて知りました】

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朝からコンクリートがむせかえるように暑い夏 車の下にいた外猫さん(地域猫

入院後の上司への挨拶を終えると、机の上に積み上げられた書類を片付けました。
「マナが待っている!帰ろう」
終業時間が終わるとバス停へと走りました。

空の帰りを待っているマナ。
マナちゃんはやはりさみしかったようです。
空の足音を聞くとドアの中から「にゃ~ん」と高く細い声で鳴いています。
マナちゃんは空と暮らすようになってから、ずっと(月)~(金)朝8時~夕方6時半までお留守番です。
空はそんなマナに『お留守番ばかりでごめんね』という気持ちでいっぱいでした。
だからママと呼べない!パパ兼ママ…

その日の夜です。
空が腕を見ています。赤い発疹がありました。
『何だろう?何かにかぶれたのかな』
そんなに気になりませんでした。
翌日も仕事を終えてマナちゃんの待つアパートへと帰った空です。

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マナちゃん!しばらくはチュチュおあずけだね

「何これー!」
見ると腕だけではなく脚もお腹も全身に発疹が出ていました。
幸い次の日は入院していた病院の診察で有給休暇をとってありました。
医師に発疹を診てもらうと「リンゴ病かもしれないな」との事でした。

廊下ですれ違った薬剤師さんが声をかけてきました。発疹の事を話すと「自分も原因不明で発疹が出た事があったけれど、心配なら皮膚科に行ったほうがいいわよ」と言ってくれました。

空の頭には『リンゴ病なら人に感染する病気よね、この発疹が何かわからなければバスの中で会う人達や会社の人達にうつしてしまう!それはできないわ』しかありません。

幸いにも皮膚科の病院は近くにあり、その足で皮膚科まで自転車を走らせました。
空の発疹を診た女医先生は「原因はわかりませんので、とりあえず採血して点滴ですね、明日も点滴に来て下さい」と言うと至急採血の結果を回すようにという看護師さんへの言葉が聞こえてきました。

【また点滴~!マナが待っているのに。大体2日間だけしか会社に行っていないのに】

一難去ってまた一難…
空は上司に伝染性のある発疹かわからないのでお休みお願いしますと伝えました。

翌日ドキドキしながら結果を聞きに行く空。
女医先生は「原因はわかりませんが、感染性の発疹ではありませんでした。入院していた病院の処方で疑わしい薬がありますので、止めて良いか主治医の先生に聞いてみますね。そして全身症状が悪いので様子を見て治らなければ大きな病院に紹介状を書きます。明日も点滴に来て下さいね」

【良かった~!伝染性のものではないんだ】

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またまた皮膚科で点滴の空

マナちゃんを拾ってからも有給休暇をとったこともなかったのではありませんか?
影の声である私もマナちゃんと空が何か目に見えない力によって逆風が吹いている事だけはわかります。
さてさて…この先どうなるの~!
空の言葉を借りればそんな感じですよね。
まだ続く変化の事は今は黙っておいて次に進むといたしましょう。