猫は君を永遠に愛します

永遠のテーマ【猫とは…猫の幸せとは?】

第3話 思いもかけない試練続出の始まり

近隣の変化に「なに?何故こんなことに?」と戸惑う空です。

回りの親しい人達が変化する中、後ろの更地になったおじさんの住んでいた料亭の男子寮の建築工事が突如始まりました。
マナちゃんと楽しく過ごしたゴールデンウィークが終わって間もなくの事でした。

土日も夜遅くまでガンガンゴンゴン。
空が待ちに待ったマナちゃんといられる休日です。
ビビりのマナちゃんは建築工事の音で洗濯機の後ろに隠れてしまい出てきません。
「待ちに待った休日なのにマナといられない」
空はすっかり神経がやられてしまいました。

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マナちゃんの見ている塀の中で始まった建築工事

アパートのポストには工事のお知らせのチラシも入っていません。
何が建つのか、いつまで建築工事が続くのかもわかりませんでした。

半月が過ぎた時に堪らなくなり、アパートの管理会社に電話しました。
「こちらにも何も連絡はありません。明日そちらの建築現場に行って聞いてみますので又ご連絡します」

翌日アパートの管理会社の事務員さんから電話がありました。
「工事主の立て看板もなく、工事の人もいなかったので、わかりませんでした」

建築工事が始まり1ヶ月が過ぎた6月です。
空は咳き込むようになりました。
マスクをして仕事をしました。
「だいじょうぶ?」
何人かの会社の人たちが聞いてくれました。
夜も咳が出て眠れない程に悪化していました。

会社を休めない7月の月初めの週
『慣れた仕事だから体調が悪くても大丈夫』
空は自分が任されている仕事を終えました。
会社に有給休暇の届けを出して病院に行きました。
診察中も点滴をしながらのレントゲン検査の間も咳が止まりません。
点滴をしている空に医師が言いました。
「入院だね、3日~4日間の入院になるよ」

な・な・なんですか~!
空の頭にはマナちゃんの事しかありません。
実は6月に1度診察した時に医師から入院を勧められていました。
「猫がいるので入院はできません、一人暮らしなんです」と空は即答で答えていたのです。
しかし今回は空の体は悲鳴をあげていました。
入院だよと医師に言われた時、素直に頷きました。

点滴を終えると「入院の準備のために1度帰宅させて下さい」と空が言いました。
「とりあえず病室に行って下さい。30分だけですよ」と言われました。

空は乗ってきた自転車に乗って必死にアパートに帰りました。
玄関を入るとマナを抱き締めました。
さささっと用意をするとマナを抱き締めて「行ってくるからね、ごめんねマナ」という空の心と手は震えていました。

マナと暮らしてから初めての外泊です。
入った病室からは隣のマンションが見えます。
空は『3日~4日の入院だし、近いから外出許可をもらってマナに会える』と思っていました。

入院した翌日から朝9時から午後5時まで点滴につながれました。
回診に来た医師に外出しても良いでしょうか?と聞きました。
「今はだめだよ、猫がいるんだろ? 家に帰らない方がいい」

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心を許すのは空だけのマナちゃん

『ビビりのマナは誰も受け入れない。玄関の戸を直ぐに閉めなければ外に逃げてしまう可能性もある』空の頭の中は真っ白になりました。

さて初めての試練の始まりです。
空はどうするのでしょうか?

続きは次のお話しで─