第3話 ニヒルに笑う猫に出会う
猫に1年に1度会えば良いほどの私が、この頃またまた猫に出会うことに!
朝の通勤で1分違いに来るバスが2本あります。
間に合わない時は違うルートのバスに乗ります。
降りて歩かなければいけませんが、遅刻は免れます。
その日は違うルートのバスに乗りました。
歩いていると、猫がいることに気がつきました。
「あっ!猫だ」と猫に会うといつも言っているようですが、それもいかに私が猫に会うことが少なかった証拠です。
痩せていて何となく弱々しく見えました。
そして私に気づいた時、その猫は【ニヒルな笑い】を浮かべていました。
猫は振り返って私を見て【確かに笑った】のです。
何となく必然を感じました。野良猫だと思いましたが、なぜかまた出会うだろうと…。
そして8日後に予感が的中しました。
ニヒルに笑った猫はいないかなと同じ道を通りました。
会った所にある喫茶店の玄関の中の椅子の上にいました。
『ああ、このお店の猫だったんだ』
通勤時間でもあり、まだ喫茶店はオープンしていないようでした。
いつかは猫の事を聞ける時がくるかなと思いながら通り過ぎました。
まさか聞けるとは思いませんでしたが、喫茶店の猫について飼い主さんから聞く日が来ることになります。
そう…数日後に。
ニヒルに笑った猫と会う前に実は喫茶店の店主とお会いしていたことを私は忘れてしまっていました。
枯れ葉を竹ホウキで掃いていらっしゃるおばさんがいました。
魔女の宅急便の映画は有名ですよね。
ジジを方に乗せて竹ホウキで空を飛ぶキキが大好きな私は道路を掃いていたおばさんに「お顔は写しませんので、竹ホウキを撮らせいただいてよろしいでしょうか?」と声をかけました。
「もうボロボロだよ、こんなのでも良ければ」と言って下さいました。
私は撮った写真を見てもらうと「遅刻する!いってきます」と言うと「気をつけておゆき」と笑って見送って下さいました。
この時にはニヒルに笑う猫も外にいなかったのか会わなかったのです。
確かに猫と出会うことが多くなっている不思議が私の回りで動き出していました。