猫は君を永遠に愛します

永遠のテーマ【猫とは…猫の幸せとは?】

第13話 飼い主さんとルイの狭間で

前にも少し触れたかと思いますが、3階建てのアパートの1階には5件あります。

2階と3階も同じ戸数ですが、螺旋階段が直ぐに道路に直結していますのでめったに顔を会わすことはありません。

 

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寒い中で朝のルイくん
ルイくんと飼い主さんが引っ越していらっしゃるまで1階にはマナちゃんと空しか住んでいませんでした。
そんな時に引っ越しをして来たのがルイくんを飼っている方でした。
アパートの1階は空とその引っ越してきた飼い主さんしかいません。
どうしても顔を合わせる機会が多かったのも事実です。

「ルイくんが家に来ていますが良いんですか?」と何度も聞く空の質問に興味もない感じでしたが、この後まもなく事件が起きます。

ある日、飼い主さんはお酒がすすみすぎていたのか「人の猫を部屋に入れるお前がおかしいやろ」と言ってきたのです。空は珍しく胸ぐらが煮えくりかえるのを感じました。
夜になると寒くても空のベランダに来るルイくんを追い返せなかったとはいえ、自分の部屋にいれた空が悪くはなかったかというと確かに悪いと思いました。
 
『あなたが窓を開けっ放しにしておいたからではありませんか?しかも何度もルイくんが家に来ていると言っていたのに』と心の中で言いました。
 
 

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土日は空の部屋で寛ぐルイくん
そこからは一方的に空を攻めて来ました。「猫のトイレはあるんですか?」と気になっていたことを空が言いました。「そんなもんないし。前に住んでいた所は田舎でね」との答えでした。
な・何なんですか~!
ここは住宅街ですし今時猫のトイレも置いてない育て方をしている家なんてないと思う空。
他人には理解を示し、その人の良い所を見る空ですが、猫の事になるとこんなに感情的になることを初めて知りました。
 
お酒を飲んでいる勢いもあって「人の猫を入れるお前が悪い」の一点張りで、反論すると今度は暴力で来ました。
空は立ち向かおうと思いますが、何と言ってもルイくんの飼い主は男性です。
大きい声ですら慣れない空にとってはこれがルイくんにできる精一杯でした。
胸を蹴られて、すぐ近くの派出所へ行きましたが、警察官はいなくて派出所の電話から警察に電話をしました。
しばらく待っているとパトカーが2台来ました。事情を聞かれてアパートへ警察官と共に戻りました。
空は自分の部屋で、そしてルイくんの飼い主さんも自分の部屋で別々に事情を聞くという処置を警察官はとりました。
「危ないですから誰か身内の人に連絡して一旦ここから離れて下さい」との事でした。空はマナちゃんをキャリーバックに入れてると、家の人に連絡をして迎えに来てもらい6人の警察官に見送られてアパートを離れました。
空は迎えに来た家人に事情を説明しましたが、あまり家人に電話をしない空の話しはわからなかったようです。それでタクシーでマナちゃんと共にアパートに戻ることにしました。
 
それからもルイくんの飼い主さん、そして空の攻防戦は悪化していくことになります。